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【連載】パイロット指輪物語/第2話「最高純度で丈夫なプラチナリングを作りたい!」

文・イラスト/ヨシムラマリ

※この記事は、横浜YAMATOのウェブサイトに掲載されたものを再掲載しました。

第2話「最高純度で丈夫なプラチナリングを作りたい!」

 宝飾品の製造をスタートしたパイロットは、結婚指輪に着目する。いわゆるファッションリングとは異なり、結婚指輪は一生身につけるもの。デザイン性だけではなく、耐久性も求められる。そこに、万年筆製造で培った高い品質や技術力が活かせるのではないか、と考えたのだ。
 結婚指輪の定番素材のひとつが、プラチナである。その希少性もさることながら、「白金」の別名が持つ「純粋・純白・永遠」というイメージが、ウェディングにふさわしいと人気を博しているのだ。
 しかしこのプラチナ、化学的に非常に安定しており耐食性も高い一方、やわらかく変形しやすいという弱点がある。そのため傷がつきやすく、長く使われる結婚指輪としては、実は不向きな素材なのだ。
 そこで通常は、硬さを補うために他の金属を混ぜて合金にする。リングの素材に「Pt900」「Pt950」と書かれていることがあるが、これはプラチナの純度を表す数字である。Pt900なら10%、Pt950は5%の割合でプラチナ以外の素材が使われていることを示している。
 しかしそこはパイロット。結婚指輪として「純プラチナ」にこだわりたい、かつ丈夫で美しさが長もちするリングを作りたい、と素材そのものから開発することを決意。最高純度の「Pt999」でありながら高硬度という、ウルトラハードプラチナ「UHP」の完成を目指すのだった。

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プロフィール

ヨシムラマリ.pngヨシムラマリ

神奈川県横浜市出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。現在は会社員として働くかたわら、イラスト制作や執筆を手がける。

著書『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)

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