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【新連載・違いがわかる男の文具講座】色鉛筆・クレヨン

高畑正幸

980a77cd3e2786a5954fc7f46449cd0051b4ddc0-thumb-640xauto-70561.jpg全国の文具店で配布している、文具のフリーマガジン『Bun2(ブンツウ)』。
その『Bun2』の人気連載「違いがわかる男の文具講座」を、文具のとびらにも出張掲載します。
文具のとびら・高畑正幸編集長による"文具講座"、どうぞお楽しみください!

今回は、『Bun2』Vol.118 2025年2月号掲載の「色鉛筆・クレヨン」についてです。

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「色鉛筆・クレヨン」を解説

皆さんは色鉛筆やクレヨンを最後に使ったのはいつ頃だろうか?Bun2読者の皆さんは比較的文房具に興味があるとは思うが、マーカーや万年筆ではなく色鉛筆やクレヨンとなると、仕事や趣味で使う機会がある人を除けば、中学校の美術の授業あたりを最後に、もう何十年も使っていないという方が多いのではないだろうか。今回は、誰もが使ったことがあるのに、大人になったらなかなか使う機会が少ない色鉛筆やクレヨンを集めてみた。

【Artline色鉛筆 & 水彩色鉛筆】シヤチハタ  
アートライン.jpgまずは正統派色鉛筆系。発色の良いベーシックな色鉛筆と水彩タイプがあり、水彩タイプは芯が水に溶けるので、書いた後で水筆を使って撫でるだけで簡単に水彩画になる。

【ハローネイチャー〈六角〉缶入色鉛筆12色】トンボ鉛筆  
ハローネイチャー.jpg普通の鉛筆よりも芯が軟らかくて太い色鉛筆は、芯を均等に保護するなどの理由から丸軸で作られるのが一般的だが、この色鉛筆は六角軸を採用。子供が机の上にたくさんの色を出しても転がりにくく、しっかり持てる。ちょっとした気遣いの形だ。


【トイロノ】三菱鉛筆  
トイロノ.jpg従来よりも太く柔らかい芯を採用することで、従来の色鉛筆よりも濃淡やグラデーション、重ね塗りがしやすく、濃い色の上からでも発色良く描くことができるのが特徴。トレー状のケースは、紙箱のスリーブから出して机上に置くと色を選んだり出し戻しがしやすいのが便利だ。  

【ノリスカラー色鉛筆】ステッドラー  
ノリスカラー色鉛筆.jpg見た目は普通の色鉛筆だが、軸の部分が普通の木ではなく、木を製材する際に出る端材や木くずを再利用したものでできている。木材の消費を減らし、無駄が生じにくい製法にしている。


【アーチスト色鉛筆 ブレンダー】ホルベイン  
アーチスト色鉛筆 ブレンダー・さしかえ.jpg色鉛筆の色をなじませたり、鮮やかに際立たせるための無色の色鉛筆。これ自体には色はないが、色鉛筆で描いた上から塗ると、紙の上の顔料をなじませ、紙の凹凸に押し込むので、グラデーションを滑らかに見せたり、艶感を出したりできる。全体的に鮮やかでウエットな雰囲気になるのがポイント。  

【クリクル】クツワ  
クリクル.jpgこちらは繰り出し式の色鉛筆。シンプルなプラスチック製の軸の中に色鉛筆芯が入っていて、軸の後端をくるくる回すと、芯が出てくる。削る必要がなく、短くならず、移動するときには芯先を引っ込めてペンケースに入れることもできる。透明ボディなので、芯の残量もよく見える。  

【大人の色鉛筆13】北星鉛筆  
大人の色鉛筆13.jpg一方こちらは鉛筆と同じ木の軸のノック式色鉛筆。作ったのは老舗の鉛筆メーカー北星鉛筆だから、鉛筆の持ち心地はそのままに、短くならず、シャープペンシルのようにノックすることで使い続けられる便利な色鉛筆。普通の色鉛筆に比べると重量感があるが、ボールペンなどを使い慣れた大人にはむしろ適度な重さが使いやすいかもしれない。  

【アートマルチエイト】ぺんてる  
アートマルチエイト.jpg外出先に持ち出すならこれがオススメ。多色ボールペン1本程度の大きさで、8色の色鉛筆セットと同様に使えるというスグレモノ。芯ホルダータイプだが、ペンの中には8本の色鉛筆芯を内蔵していて、クリップを回転させて色を選び、ノックすると、選んだ色の芯が滑り出てくる仕組み。旅先でスケッチするような簡単な作業であれば充分に実用的。セットには予備のカラー芯が12色用意されているので、色の組み合わせをカスタマイズして使うことができる。  

【落ち葉を模した色鉛筆】コクヨ  
落ち葉を模した色鉛筆.jpg変わり種としては、コクヨのデザインコンペ入賞作品が商品化された落ち葉の形の全芯色鉛筆。落ち葉なので、整頓されていない、散らばった状態でも美しく見えるというもの。実用性云々というよりは、何かを感じるきっかけとして楽しむものではある。  

【アートクレヨン】ぺんてる  
アートクレヨン.jpgコンセプトは「もう一度、描きたくなるクレヨン」。YouTubeで人気の画家・柴崎春通さんの監修で作られた大人のためのクレヨンは、濃く、鮮やかで、塗り重ねたり伸ばしたりが自在にできるリッチなクレヨン。色は8色しかないが、塗り重ねて行くことで、油絵のような重厚感さえ表現できる。
(編集部注:新色8色を2025年2月7日に追加発売し、現在は16色展開)

【透明くれよん】コクヨ
透明くれよん.jpg名前の通り、見た目に涼しげな色透明のクレヨン。塗った色にも透明度があって下絵の線が透けて見えるので、塗り絵などの場合はみ出しても気にならないし、透明感のある色を重ねることもできる。  

【デコレーションクレヨン】デザインフィル  
デコレーションクレヨン.jpgいくつかの色をあつめて固めたクレヨンで、書くたびに色が不規則に重なり合う色合いを楽しめる。プラスチック製の透明ホルダーに入っていて、手を汚さずに使え、ペンケースなどに入れて持ち運ぶことも可能。手帳のデコレーションなどにも使えるクレヨンだ。  

【海のクレヨン・山のクレヨン】スカパーJSAT
海・山のクレヨン.jpg通信衛星を運用して衛星放送などを行っているスカパーJSATが衛星から地球を見た画像を元に、世界中の海・山の色をクレヨンにしたものだ。海といえば青、山と言えば緑、と思いがちだが、実際には様々な色の海や山が存在するということがよくわかる。それぞれのクレヨンに書かれている2つの数字は緯度と経度になっていて、ケースにあるQRコードからより詳しい海の解説を見ることもできる。

こうして見ていると、自分でもなにか描いてみたい気分になるし、実際にこの記事を書きながら落書きをしていると、単純に楽しい。なにを書いたら良いかわからないという人も、とりあえずぐいぐいと紙を塗りつぶすだけで、描く行為そのものが楽しいという気持ちになれる。手軽でカラフルな画材には不思議な力があるのでためしてみてほしい。

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