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【Kia Ora!文具通信】Vol.3 アートの街の紙モノ専門店Passion For Paper

太平洋の南に浮かぶ島国ニュージーランド。豊富な自然環境と多様な人種が集まるこの国では、日本とはずいぶんと異なる文具事情が広がっているようです。ニュージーランドに長期滞在中の文具ライターが、現地で出会った文具のアレコレをご紹介します!
タイトルにある「Kia Ora!」とは、ニュージーランドの先住民族・マオリ族の言葉で「こんにちは」を意味します。親しみを込めた挨拶として、日常的に使われています。

アートの街Parnell

今回はニュージーランドの最大都市オークランド、その中心地からバスで10分ほどのところにあるParnell(パーネル)という街にやってきました。バス通りにはアートギャラリーやアンティークブティックなどが並び、その街並みはまさにアートな雰囲気。
その一角に、紙モノを中心に扱うお店「Passion For Paper」がお店を構えています。

①店舗外観.JPG

Passion For Paper

ぬくもりあふれる雰囲気のお店には、イタリアをはじめとしたヨーロッパブランドのペーパーアイテムを中心に、数多くの商品が取り揃えられています。お店の方によると、このお店はニュージーランドで初めて上質な文房具を扱うお店として、26年前にこのParnellの地でスタートしたそうです。

②店内写真.JPG

店内には、レターセットやカード、ノートのほか、パズルなど玩具用品までバラエティに富んだカラフルなアイテムの数々。
中でも目を引くのは、壁一面に広がるラッピングペーパーとポスターです。


③-1 ラッピングペーパー.JPG③-2 ポスター.JPG
ラッピングペーパーは1枚9.5ドル、ポスターは15ドル

ラッピングペーパーの棚をよく見ると、奥には別の柄が隠れていました。取り扱っているのはどうやら、見えている柄だけではないようです。お気に入りの柄を探す、まさに「宝探し感」にわくわくします!

④ラッピングペーパー棚.JPG

ふとスタッフの女性の方にラッピングペーパーの種類を尋ねると、「わからないわ!数えたことがないわね!とにかくmany(たくさん)よ!」と笑顔で丁寧に返してくれました。

店内を見渡していると、ヨーロッパ製品と肩を並べるようにして、デザインフィル ミドリの商品もありました。
「日本の製品はハイクオリティね」と店員さん。
⑤ミドリ製品.JPG

MD鉛筆は25ドル、MDノートは29ドル

紙を求めてわざわざ来る”lovely”な場所

以前、アメリカを訪れた際の記事でも触れましたが(関連記事はこちら)、ニュージーランドでも一般的に、ラッピングペーパーはスーパーマーケットなどで気軽に手に入るものです。その外にもカード、レターセットなども本屋さんの文具コーナーやツーダラーショップ(日本でいう100円ショップ)などで売られており、専門店を訪れなくても気軽に手に入るのが現状です。
⑥店内.JPG

店員さんとの会話の中で印象的な言葉がありました。
「このParnellという土地はオークランドの中で中心地に次いで2番目に古いと言われている、歴史ある街よ。ギャラリーやカフェなどが『lovely』でしょう?」そうお話ししてくれたのです。
「lovely」という言葉は、とても魅力的・美しい物事を形容する際に使われます。まさにこの「Passion For Paper」が並ぶ街並みも、店内の空間も、「lovely」という言葉がぴったりな空間なのです。
こだわらなければどこでも手に入るけれど、このlovelyな街の、あたたかな紙モノ専門店へ、個性あふれるデザインを求めて、多くの人が訪れるのかもしれません。

Passion For Paper オンラインショップ:https://www.passionforpaper.co.nz/index.php

プロフィール

臼井 遥比(うすい はるひ)

ライター。1995年横須賀生まれ。
地域WEBマガジンや「文具のとびら」で編集や取材・執筆を経験。
2024年2月からニュージーランドに滞在し、「文具」や「暮らし」をテーマに活動中。

ニュージーランドでの暮らしをnoteでも発信中。
https://note.com/haruhiusui16

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