【ぶんぐるめ】丸善名物の「ハヤシライス」
文房具にまつわる食べ物を紹介する、「文具のとびら」ならではのグルメ企画がスタート。第1回目は、元祖として知られる丸善の名物「ハヤシライス」を、文具のフリーマガジン「Bun2」の北澤編集長が紹介します。
丸善といえばハヤシライス!
丸善池袋店の入口に「ハヤシライス」をアピールする看板が
ハヤシライスの名前の由来については諸説あるが、その中で最も有力な説となっているのが、1869年(明治2年)に丸善を創業した早矢仕有的(はやしゆうてき)が考案したというもの。早矢仕さんが作ったので「ハヤシライス」ということなのである。(こちらも参照)
そんな経緯もあり、丸善といえば書店や文房具店のイメージが強いが、このハヤシライスも名物の一つになっていて、丸の内本店や日本橋店などカフェを併設している店舗では、このハヤシライスを食べることができる。
今年(2017年)8月にオープンした丸善池袋店でも、併設のカフェ「ほんのひととき」でハヤシライスを食べることができる。先日、同店を訪問してこちらに記事を書いたが、ハヤシライスを食べずに店を出てきたのが心残りだった。という訳で、同店を再訪してハヤシライスを食べてきた。
ハヤシライスが食べられるカフェを併設した丸善池袋店
丸善池袋店1Fフロア。奥にカフェのカウンターがある。
丸善池袋店は、地下1階から2階までの3フロアで売り場を展開しており、カフェ「ほんのひととき」は1Fフロアで売り場と同居するかたちで設けられている。最近は、売り場の中にカフェがある書店も珍しくなくなってきたが、同店の場合は文具専門店であるのがちょっと異色なところ。
1Fのエントランス部分は売り場スペースになっている。1Fのショーウインドーに、ボディカットされた電車が展示されていることもあってか、最初に訪れたときはここに鉄道グッズが並んでいたが、この日は手帳やカレンダーが並んでいた。「手帳やカレンダーは2Fに売り場がありますが、年末商戦のシーズンが始まったので、商品をアピールする意味で一部をここで展開しています」と池袋店の天野隆志店長。ただし、「鉄道グッズを置いてほしい」というリクエストは多いそうで、「またすぐに鉄道グッズを展開する予定です」という。(*11月22日に再訪したところ、手帳の隣で鉄道グッズを展開していた)
その隣にあるカフェは、書斎をイメージして壁面の書棚に洋書(非売品)を並べており、静かで居心地がよさそうな雰囲気がある。カフェのお客さんの様子をみると、皆さんくつろいだ表情で座っておられる。ちなみに、2Fにイスとテーブルを置いたフリースペースがあり、そこでも飲食が可能。さらに屋外でも、電車が置かれたショーウィンドー前にカフェ専用のイスとテーブルが置かれており、電車を眺めながらお茶を飲んだりできる。「天気のよい暖かな日中には、外でお茶を飲まれる方もいらっしゃいます」と話すのは、カフェの店長を務める小林潤さん。
店の外にもイスとテーブルを設置、電車を見ながらお茶が飲める。
一番人気は「季節野菜のハヤシライス」、コーヒー豆にもこだわり
小林さんによると、「やはり、ハヤシライスを注文されるお客様は非常に多いです」とのこと。開店以来、TVで取り上げられる機会も少なくないので、その効果もあるようだ。「召し上がったお客様からは、“おいしい”という声をいただいています」と話す小林さんの表情はとても明るい。
メニューを見ると、ハヤシライスにはトッピングの違いで何種類かバリエーションがある。その中から、「一番人気のあるメニューです」という「季節野菜のハヤシライス」を注文した。
季節野菜のハヤシライス(税抜950円)とホットコーヒーをセットで注文。料理と一緒だとドリンクはプラス200円で注文できる。
久しぶり丸善のハヤシライスを食べてみたが、やはりおいしい。他と比べて、やや甘みが強くコクがあるのがここのハヤシライス特徴だが、このハヤシソースがトッピングされた温野菜にとても合う。特に、女性が好きそうなメニューだろうと思った。このトッピングの野菜は、「今後は、冬野菜や春野菜というように、季節ごとに野菜を変えていきます」という。
このハヤシソースは缶詰とレトルトパックでも販売しているので、家庭でも味わうことができる。同店では2Fで販売しているそうなので、「このハヤシライスを家でも食べたい!」と思った人は、ぜひ買っていかれるといいだろう。
あと、コーヒーも味わい深くておいしかった。そう小林さんに伝えると、「ケニアで採れるコーヒー豆の総生産量のわずか0.1%しかない希少な豆を使っています」と教えてくれた。
反対側になるが電車を眺めながら飲食ができるので、鉄道ファンにもおすすめ!?
ちなみに、夜はアルコールやおつまみも提供しているようなので、電車を肴に一献傾けるというのも悪くない。
文具売り場は年末商戦態勢に
文具の情報サイトなので、ハヤシライスだけ食べて帰るわけにはいかない。文具売り場の様子も取材してきた。
前回、2Fでは世界のトランプをずらりと特集していて非常に印象深かったが、「お陰様でとても反響がよかったです」と天野店長は言う。現在は、「カレンダー・ダイアリーフェア」を展開していて、2018年版の手帳とカレンダーを販売している。手帳は、キャラクターなどをデザインしたカジュアルな手帳をはじめ、「ジブン手帳」や「エディット」など毎年人気の手帳、定番のビジネス手帳まで多彩に取り揃えているが、「手帳の動きは例年と比べて非常にいいです」という。また、カレンダーに関しては「インテリアにもなる卓上カレンダーの人気が高まってきています」とのこと。
一方、B1Fでは年賀用品やクリスマスカードを展開中。年賀用品は、年賀はがき、年賀スタンプ、年賀シール、そして最近よく売れているというポチ袋まで品揃え。中でも、「カードやレターで人気のある柄を使ったポチ袋が人気です」と天野店長。
手帳・カレンダーコーナー(左)と人気のポチ袋を集めたコーナー
【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう