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――次は、きだてさんお願いします。

【きだて】文具王が楽しそうなお正月を送ってたのに、俺があんまり楽しくなかった正月の話していい？

【他故】何で、そんなネガティブな始まりなんだ(笑)。

【きだて】俺の今年の初文房具は、サンスター文具の「アケルキー」なんですけども。これは年末のギリギリに注文したのが、正月の2日ぐらいに届いたというだけの話なんだけどね。ただ、届いたはいいんだけど、注文したのを年末のバタバタで忘れてて、「何だっけこれ？」と思いつつ、届いたのを開封しないまま放置しちゃってたのさ。で、そのまま完全に失念した状態で、年明けてすぐサンスター文具の広報さんに「『アケルキー』について書きたいんだけど、サンプルって手配してもらえますか？」って言って、送ってもらっちゃったのね。自分で買ったのを忘れて。で、そのサンプルが届いてから「あれっ、俺なんか注文した覚えあるわ」と思って、玄関脇に積み上げていたものを開けていったら出てきたという。ほんと申し訳なくて。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】やっぱね、大事なのは届いたものは、届いた瞬間に開けなきゃダメだよっていうことなんですよ。

――教訓ですね(笑)。

【きだて】こうやってメーカーさんにご迷惑をおかけしちゃうので。

【他故】そうね(笑)。

【きだて】我が家には当然のように開梱カッターが玄関前に何本も置いてあるんだけど、たまたま両手に荷物を抱えちゃってるとか、置き配をまとめてロッカーから出してとかやってると、それを玄関に置いた時点で、もう「開けるの、あとでいいや」ってなるんだよ。めんどくさくなって。開梱カッターが近くにあるにもかかわらず。

【高畑】はい。

【きだて】なんだけど、そのときにその荷物と一緒に必ず持ってるのが家の鍵なわけですよ。

【他故】なるほど、鍵は持ってるね。

【きだて】鍵はね、つい数秒前に玄関を開けてるから手の中にあるわけ。

【高畑】今開けたところだからね。

【きだて】であればその流れで、いま手に持ってるやつで開けなさいよっていう話でしょ。

【他故】そうだね。

【きだて】まさにキーで開けるっていうね。なんかね、それを思い知らされたというか。

【高畑】企画担当者の思った通りの。

【他故】まさしくそのまんまみたいな。

【高畑】「そうして欲しいんだよ」っていう感じが伝わってきましたね。

【きだて】もうね、完全に開発者の手のひらで転がされた感があって。あっ、これかー！っていう。

【他故】「あなたのために作りましたよ」ってやつだね(笑)。

【きだて】さらに言うと、置き配の荷物と一緒に持ってるのが、ポストから取り出した封筒の束だったりするわけじゃないですか。DMとか支払いのやつとか。「アケルキー」が優秀なのが、封筒のオープナーも付いてるんですよ。そうか、これ1個あれば玄関前のあれこれはその場で開けられるんだなと。

【他故】うん。

【きだて】部屋に持って帰ってたら、公共料金の振込とか、開けないといけないのが分かっていながら、何となく先送りにしちゃうとか。

【他故】「まあいいや」みたいなね。

【きだて】払わないといけないんだけど、ギリギリでいいやという。

【他故】分かる、分かる。

【きだて】でもね、そういうのは開けないと分からないんだ。

【他故】それも分かる（苦笑）。

【きだて】いつがギリギリなのか、開けないと分からないからさ。色々とね、ADHD 特有の先送り癖というか、まあただ単に面倒くさがりなだけなんだと思うんだけど。

【高畑】それは分かるな。

【他故】めっちゃ分かる。開けない封筒あるもの。

【きだて】そういう意味で、玄関で開けるっていうのを習慣づけないとダメだなと。玄関にレターオープナーと開梱カッターの両方を置いとくのもあれなんだけど、「アケルキー」なら絶対に手に持ってるもので、その場で開けられるっていう気軽さがある。

【他故】そうね。

【きだて】ぶっちゃけ、開梱カッターの性能としてはさほど優秀でもないのよ。

【高畑】「開けられるよ」っていうぐらいだよね。

【きだて】取り回しは良くないんだけど。

【高畑】他の、ほら「刃がセラミックでできてます」みたいなやつの方が、もちろん開けるっていう能力は圧倒的なんだけど。

【きだて】でも、それは使えるタイミングで使わないと意味がないわけじゃん。

【他故】まあね。

【きだて】使える機を逃さないという点では、実は今のところ「アケルキー」は最強なんじゃないかと。

【他故】あー分かる分かる。

【高畑】ちっちゃいよね。その2機能を持ってる中では、かなりちっちゃいんじゃない。

【きだて】ダントツに小さいと思う。鍵に付けるっていうのがあるから。

【高畑】逆に、それを鍵に付けなかったら、それそのものをなくすよね。

【他故】小さ過ぎて。

【高畑】それって、鍵に付けてるからなくならないのであって、普通に置いといたらなくすぜっていうのはある。だから、必ず持ってるものにくっつけとかないとダメ。

【きだて】あと、取り付けるときにこういう、つないでる元から分離できるものを使うのがおすすめ。ストラップで、こうやってカチッと。正式名称わかんないけど、こういうやつ。

【他故】ああ、あるね。そういうの。

【きだて】鍵に付けたままだとちょっとね、鍵がジャラジャラしてうっとうしいのよ。だから、使うときだけとりあえず外せて、使ったあとは鍵束にすぐ戻せるんだよ。「アケルキー」自体は置きっぱにしない。なので、こういう分離できるストラップで付けとくのはおすすめだよっていう。

【高畑】これはアリですね。

――じゃあ、きだてさんは鍵と一緒にそうやって付けてるわけですね。

【きだて】ミニはさみとか「アケルキー」とか、分離させて使った方が便利なやつは、全部このカチャッと外せるストラップで付けてます。Amazon でまとめ買いしてるよ。

【他故】ははは、そんなに(笑)。

【高畑】それ、俺も買おう。

【きだて】便利だよ。

【高畑】そういう工夫はいいよね。使いやすいようにね。

――他故さんも「アケルキー」を持ってるんですね。

【他故】私はキーバックのチェーンに鍵やSUICAといっしょに装着して、鍵と一緒に持ってますけどね。

【高畑】元々、開発した人が届いた荷物を開けるときに、鍵束の鍵で無理やりガリガリやって開けてたらしいんだよね。普通の鍵でやるとちゃんと開かないしさ。で、鍵にベタベタが付くんだよね。それは良くないよねっていうので、「じゃあ、これがオープナーだったらいいじゃん」ってって作ったらしいよ。

【きだて】「アケルキー」はちゃんとコートコーティングされてるから、ベタベタが付きにくいのよね。

【高畑】ギザギザが付いているから、ちっちゃいけど一応ちゃんと切れる刃にはなってるしね。硬いものも切れるし。ゴリゴリやったら切れるので、そこはいいよね。

【きだて】あとね、最近ちょっと減ったんだけど、雑誌とかで文具の撮影に立ち会う時があるんだよ。そうなると、メーカーからダンボールでドサッと届いたものを片っ端から開けていく作業があって、外でもこういうオープナーを使いたい時があるのよ。今までは、コクヨの「ハコアケ」の携帯はさみを持ち歩いてたんだけど、でも「アケルキー」を1個持っていた方が楽じゃん。

【他故】まあね。

【高畑】常時携帯するものの限界の大きさってあるじゃない。もちろん、ちゃんと荷物を持っていくときは、ちゃんとしたはさみを入れるんだけど。「あっ」というときに、大体そういうの持ってないじゃない。

【他故】持ってないね。

【きだて】「何で、今ないんだろう」っていうのが毎回あるわけですよ。

【高畑】普通に生活している中で、EDCを何に付けるかというので、今だと鍵の束かスマホかになる。

【きだて】そうだね。いまや常時携帯するものってそれぐらいだよね。

【高畑】鍵とスマホは肌身離さないじゃない。鍵はどこかに置くということがなく、絶対ポケットに入れとく人が多いので、常に持ってるっていう意味でいくと、鍵束っていうのはかなり強いんじゃない。

【きだて】そう。置き場所というか、携帯場所としてすごく強いところに良いものを作ってくれたという感じで。

【他故】そうだね。

【高畑】そもそも、いつも持っていくから忘れない。

【他故】またこれが、鍵に似てるのが本当にいいんだよね。

【きだて】何かかわいいよね。

【他故】かたち自体がかわいくて好きなんだよ。

【高畑】コンパクトな分、ちょっと刃が出しにくいんだけどね。

【きだて】でも、これ限界じゃないかね。

【高畑】大きくすると携帯しづらいし。でも、きだてさんとか僕とかはなんか自宅仕事が多いけど、会社勤めとかの人とかだと、職場に自分宛に郵便物が届くのがちょいちょいあったりするじゃないですか。そういう時に開けたりするのにも使えるから。しかも、必ずしもデスクで受け取るとは限らないじゃないですか。そういう時にはいいと思うので。

【きだて】最近さ、「アケルキー」以外も、また久々に開梱ツール系が面白いじゃない。

【高畑】面白いですね。

【きだて】ミドリの「ボックスカッター」もなんだけど、プラスの「アケトル」（下写真）もめちゃくちゃ良くない？

【高畑】割と持ちやすい。まん丸のやつより持ちやすいっちゃ持ちやすい。

【きだて】持ちやすい。刃は同じなんだけど。

【高畑】切れ味は一緒でも、持ち方としてこの先端にちょこっと刃が付いてるのが引っ張りやすいよね。

【きだて】引っ張りやすいし、あとね、切りたい場所を狙いやすいのよ。折りたたみナイフの刃先にさらに小さな刃が付いてるっていうイメージだから、ピンポイントで狙いやすいんだよ。切るところが自分の手で隠れない。ミドリの「ダンボールカッター」は傑作だけど、手で覆い隠すように持っちゃうので、刃の位置が微妙に掴みづらかったりするんだ。慣れれば全然いけるんだけど、でも「アケトル」の方が圧倒的に使いやすい。

【他故】見やすいね。

【高畑】そう、見やすい。

【きだて】開けやすさでは、これがトップクラスにきたな。

【高畑】これは、ヘラみたいなのが出てきて、これでシールをはがせるって言うんだけど、こっちはなんか微妙で（苦笑）。

【きだて】これの面白い使い方として、ブリスターを開けるのに便利。

【高畑】ああ、なるほどね。

【きだて】ブリスターの台紙に貼り付けてあるやつあるじゃん。回し込んでテープで留めてるんじゃなくて。あのタイプのブリスターをこれではがすとすごい素早い。あと、磁石でドアにくっつけると、ドアスコープ隠しになるよっていう。

【他故】おー、そんな機能も！

【高畑】うちのドアスコープはね、微妙にはまらないんだよね。ドアスコープに最初からちっちゃいフタが付いてるタイプで、このフタのツメみたいなのが引っかかるから閉められなくてダメだったんだけど。

【他故】うちもやってみようかな。今ヨドバシでポチりました。

――ははは(笑)。

【高畑】まあ、箱を開けるときのナイフとしては使いやすい。これもだから、ドアのスコープに付けられるるから、置き場所が決まるので。

【他故】そっか、ドアに貼りっぱでいいんだもんな。

【高畑】「ダンボールカッター」は割とね、家族がいたりするとなくなるんだよね、という話はいろんな家で聞く。

【他故】これは大切にしなきゃいけない。

【高畑】だから、家の中で誰かが持っていって、「どこに置いたっけ？」ってなりがちなんだけど、「アケルキー」とかは絶対自分で持ってるから、そこはいいかな。あと「アケトル」も場所が決まりやすいかな。

【他故】なるほど。

【きだて】とりあえずね、正月バタバタしてたとはいえ、荷物はちゃんと開けないと、いろんなところにご迷惑をおかけするよというお話でした。

――きだてさん家は荷物が多いからね。

【きだて】もうね、今うちの玄関脇にロボット掃除機の箱が3つ積んであるのよ。

――なぜそんなに？

【きだて】並行してレビューしなきゃいけなくて。そんな走らせるところないって。

【高畑】前の前の掃除機が走った後だから、ゴミねーよみたいな(笑)。

【きだて】もう、レビューする用に自分でゴミ撒いてるんだもん。まあ、大変だよということなんですけども。

――一つ教訓として、とにかくすぐ開けるということですね。

【他故】すぐ開ける(笑)。

【きだて】文具王と違って、しょんぼりした正月でしたよ。

【高畑】この開けられるツールが開けられてなかったっていう。

【きだて】そう。洋服買いに行く服がないみたいな、そういう話ですよ。「アケルキー」を開けるための「アケルキー」がなかったっていう(笑)。

＊次回は他故さんの初文具です