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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.88 ブング・ジャムイチ押しの最新文具 その1
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんに今イチ押しの最新文具を紹介していただきました。
第1回目は、他故さんイチ押しの「Re:max(リマックス)革のホッチキス」です。
(写真左から他故さん、きだてさん、高畑編集長)*2023年11月11日撮影
*鼎談は2024年6月24日にリモートで行われました。
ホッチキスも素材感にこだわる時代に
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――今回は、みなさんが今注目している文具を紹介してもらいます。まずは他故さんお願いします。
【他故】ホッチキスが好きなんですけど、自宅でも仕事でもいよいよ紙を綴じなくなってきて出番がないっていうのを、今ひしひしと感じているんですね。今まではどっちかというと、性能が上がったとか機能が良くなったとかそういうので買ってきたんですね。フラットクリンチになりましたとか、「バイモ11」が出ましたとか、軽く閉じられるようになりましたとか、そうやって機能が新しくなる度に、「これはすごいじゃん」って言って買ってたっていうパターンがほとんどだったんですけど。今回、そういうこととあんまり関係なく、とにかく欲しいっていうホッチキスが出てきてしまったので(笑)。
【高畑】おおっ(笑)。
【他故】まだこの収録時では販売してないんですけど、マックスがサステナブル文具シリーズで「Re:max」っていうシリーズをやってるんですけど、それの第3弾で端材をアップサイクルして職人が手作業でカバーを作るっていうのをやるんですね。それが革のホッチキスと木のホッチキスがあって、この革の方に一目惚れしちゃったんですよ。「すげぇかっこいい、絶対手にしたい」と。ただよく読んでみると、これ6月25日発売って書いてあるんですが、マックスさんのホームページで予約した上で、職人さんが1個1個手で作るってことになっているので、すぐに来るのかな? ということも含めて、めちゃめちゃ楽しみにしているんですね。
「木のホッチキス」
【高畑】これ、受注生産なの?
【他故】とにかくサイトに行って、予約っていうか「買います」ってボタン押してから作るみたいなので。
【高畑】あっそうなの。色とかってどうなってんの?
【他故】リリースを見る限り、革の色とか木の素材は決まっていて、それがマックスのサイトに行くと自分で選べる。
【高畑】自分で選べるんだ。
【他故】「この色がいいです」って選んで、それでカートに入れると予約完了になったけど、出来上がりがいつかがよく分からない状態なんですよ(苦笑)。
【きだて】予約ができるようになるのが、明日から(6月25日)からってこと?
【他故】いや、予約はもう僕がしてるので、販売が6月25日って言ってるから、最速で25日に出すつもりだったんじゃないのかな。
【高畑】ある程度は数を作ってんじゃないの?
【他故】全然分かんない。
――マックスのオンラインショップ見ていたら、革のホッチキスはもう予約を受け付けていて、今注文すると「6月下旬発送予定」って書いてありますね。
【他故】「予定」になっていますよね。数の出方とか、あと木は素材によって削り方が違ったりもするだろうし、そもそもが端材の再利用だからすぐに作れないんじゃないかもしれないんですけど。とにかく、この革の感じっていうのを「ぜひ触ってみたい」っていうところで、すごく楽しみにしてる製品です。
【きだて】そういや、ステープラーが機能的に大きく進化したのって、どのあたりが最後かな?
【高畑】どのあたりが最後かなというのは、どの面かにもよるけど、「バイモ11」が出たところは大きいかな。
【きだて】そうよね、「バイモ11」を最後にホッチキス界隈にあんまり大きな進化ってなかったなという気がするんだけど、何かあったかな?
【高畑】電動の「バイモ11」みたいなやつが出たじゃん。あと、「バイモ11ロング」が出たね。ああ、あと「バイモ80」は出ているね。
【他故】それから、 10号針だと、「仕事用ホッチキス」といって、さらに本数が入っているやつがあるね。
【高畑】そうだね。テコ比が変化するタイプだよね。あと、クリーニング屋用のホッチキスが軽くなったっていう。とはいっても、基本的な原理自体はそんなにすごい変わったわけではないと思うけど。まあ、基本ホッチキスは、軽くするっていう方向と、綴じ枚数を変えるっていう方向でいけば、「バイモ11」と「バイモ80」があるけど、それ以上の120枚とかになるといまだに大型のホッチキスが生きてるけどね。すごい新しいかっていうと、そんなところかな。
【他故】やっぱり、「サクリフラット」と「バイモ11」がきて、ある程度決め打ちっぽくなった感じはあると思う。そこからあとは超高性能化というよりは、バリエーション的なみたいな感じだと思うんだけど。
【きだて】それ以降、俺個人としてホッチキスで「これは絶対買わねば!」みたいなのって記憶がなくて。それに対して、こういうデザイン面で来たのかというのは、ちょっと面白いなと。
【他故】さっき冒頭で言ったんですけど、正直に言えばホッチキスを使うシーンというのは、私の中でもめちゃめちゃ減ってるんですよ。今回の革のホッチキスは、綴じたい紙がなくても欲しくなるホッチキスに久しぶりに会った気がするのね。
【高畑】「ホッチキスとは?」という話になるけど。
【他故】そうなると難しいけど、「好きだから」という話になるんだけどね。
【高畑】今回は、第何弾?
【他故】第3弾。
【高畑】第1弾と2弾は何だっけ?
【他故】第1弾は、例の仕事ホッチキスが紙箱になりましたというサスティナブルで、第2弾はノーマルの「HD-10D」の表面がリサイクルのプラスチックでできてますというやつ。
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【高畑】割と最近だよね。
【他故】今回はアップサイクルということで、端材としての革と木材を使うという。だから、前のパターンと違って高級化なんだけどね。手作りが入っている高級化ね。
【高畑】俺もこの間見た。「ギフト・ショー」に出てたんだっけな。そこで見て、触ってはいるんだ。それで、確か豊岡のカバンメーカーが使っている端材なんだよね。元々その革でカバンとか作っていて、縫製をしない、縫製の代わりにリベット打ちしているんだけど、ホッチキスのフレームにリベット付けして留めて止めているみたい。
【他故】そうそう。めちゃめちゃかっこいいのよ。
【高畑】確かにかっこいいよね。
【他故】欲しいよね。
【高畑】他故さんが「ホッチキスとして使いませんが」って言うのを笑えるかというと、俺なんかさ、ニチバンの「南部鉄」のテープカッターが、2万円ぐらいするんだけどさ。
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――それを買ったんですか?
【高畑】一応買っておこうと思って。前バージョンも持ってんだよ。テープカッターもさ、別に進化してるわけじゃないんですよ。ああでも、テープカッターの刃はかなり良くなったんだけどね。
――「直線美」の刃が付いているんでしたっけ?
【高畑】そう、「直線美」の刃が付いている。だから、ある意味ではセロテープしか切れないんだけどね。それはともかく、この前から持ってる南部鉄のテープカッターもさ、別に壊れやしないんだよ。「これ持ってりゃいいじゃん」って言われたら確かにそうなんだけど、欲しくて買っちゃったので。他故さんが革のホッチキスが欲しいっていうのも分かるよ。
【他故】それこそ、ホッチキスなんて壊れないじゃん。
【高畑】「バイモ11」もさ、だいぶ打ってるけど壊れてないよ。
【他故】壊れないね。
【高畑】ずっとデスクに入れてるやつがあって、俺は未だに紙を大量に排出する派なので比較的使ってるんだけど、マックスのホッチキスはまあ壊れないね。
【きだて】そもそも、壊れる要素がない。どのご家庭にも「何年ものだよ!」みたいなHD-10がまだ稼働しているという。
【高畑】でもね、他社のやつだと、使っているうちに引っかかるようになったり、綴じられなくなったりするんだよ。堅牢性というところでいくと、マックスのホッチキスはまあ壊れないね。今のところ、マックスのホッチキスが打ち過ぎで壊れたっていうのにはまだ出会ってないんだよね。だから壊れないちゃ壊れない。で、それが欲しくなったってことね。
【他故】使わないわけじゃないんで(苦笑)。箱に入れてしまっておくということはほぼなくて、必ず針を入れて置いといて、何かの時には使うっていうのをずっとやってきて、それの台数が死ぬほどあるというだけだから。
【きだて】死ぬほどあるって、そこだな(笑)。
【他故】これは「HD-10D」のフルメタルのやつだけど、この辺なんかもそんなに頻度はないけど、触ってカチャカチャ打ったりもしてるんで。
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【高畑】フルメタルのも、中身は同じタイプじゃない。
【他故】今回、このガワっていうか、アルミのを外して革とか木にしてるのよ。
【高畑】そうだよね。だから、基本的には「HD-10D」がベースになってるんだよね。
【他故】そうそう。
【高畑】他故さん的には、そのメタルと並べたい感じかな?
【他故】並べたいと思うし、やっぱり日常使いもしたくって。さっき「ホチキスで打つということがほぼなくなった」って言ってるんだけども、「じゃあ打てばいいじゃん」ということで、仕事で使ってる書類みたいなものをクリップで留めていたのを、最近ホッチキスでも留めてたりもするんですよ。あまりにもホッチキスを使わないシーンが多過ぎて、寂しくなってきたので、ガチャガチャやりたいなと思って(笑)。どうせ自分の書類だし、穴が開いてもいいから。
【きだて】無理やり使うという(笑)。
【他故】無理やりというか、選択肢の一つにもう1回揺り戻すみたいな感じ。そこにぜひこのメタルと革も参加させてあげたいなっていう感じかな。なので、届くのがめっちゃ楽しみです。
【きだて】メタルはともかくとして、革はやっぱり触りたいじゃんっていうのがあるでしょ。
【高畑】革と木のどっちも触ったけど、どっちも持ち心地がやっぱりいいよね。以前、新春スペシャルで「これから質感が注目されて、素材が来るよね」というような話をしたことがあったと思うんだけど(*こちらの記事を参照)、性能面じゃないところだと、かたちがや色があって、じゃあその後何がって言ったら素材と仕上げというところにどうしても行くよね。木軸のシャープが流行ってるのもそうだし、チタンだとか真鍮のペンが流行ったりしているのも多分そうだと思うんだけど、素材感ってすごい重要になってきたんじゃないかなとは思うよね。
【他故】なるほどね。
【高畑】この間のリサイクルプラスチックのホッチキスもいいんだけど、あれって「リサイクルですよ」っていうのが分かるようにちょっとパール調な感じにはなってるけど、プラスチックがプラスチックに再生されてるから、基本同じ手触りじゃない。なんだけど、他故さんが持ってるメタルのやつとか、今回の革とか木のやつは、持ったときの質感が全然違うっていうところはあるんだよね。
【他故】触って気持ちいいというのは大きいと思う。
【高畑】手で持って使う道具だからね。なんかそこは大事よね。機能的な話だけではもうなくなってきてるのは、確かにそうだよね。
【きだて】それをリサイクルとかアップサイクルの視点で見なきゃまだダメなのかという気はするんだ。
【高畑】「まだダメか」っていうのは?
【きだて】「素材感がすごくいいよね」だけで売ればいいじゃないっていう。そこにアップサイクルとかリサイクルという話を絡めちゃうと、製品としてちょっと不純ではないのかと。
【高畑】ああ、きだてさん的にはそこが不純なんだ。
【きだて】「持ち心地めちゃめちゃいいです」だけで突破してくれたらいいのに。だって、他故さんがさっき言った通り、ホッチキスは今そんなに使わないわけじゃん。
【他故】まあ、そうだね。
【きだて】それの新製品を作ってる時点で環境負荷は高いだろうという。でも、新製品を出さなきゃいけないなら、じゃあやっぱサイクルリサイクルで話しなきゃいけないのかっていうことになっちゃうんだけど。
【高畑】それはまあ、かなり突っ込んだ話ではあるんだけれどもね。メーカーがどういう風なスタンスで新しいものを作るかって言ったときに、今そうせざるを得ないという状況はあるんだろうねというのもあるし。
【他故】「企業としてこういうことをしています」っていうことを言うこと自体を求められているからね。
【きだて】もちろん俺もそこんところが分かんないぐらいわけじゃないんだけど。でも「だけどさー」とは言いたい(苦笑)。
【高畑】いやそうなんだけど。メタルを作った時は、リサイクルとか言ってないんだっけ?
【他故】単純にフルメタルだって言っているだけだね。「プラスチックを使ってない」とはうたっているけど。
【高畑】メタルをやって、それからシリコンをやってというのはすでにやっているので、手触りの方向に振って値段あげるっていう方向自体はその時点で持つにやっているので、その続編と捉えることもできるし。逆に言うならば、その続編として革とか木とかを作ろうって思った時に、じゃあどういうものを採用するかっていうところで、ちょうどいいパートナーがいて、ちょうどいい革があって、理由付けとしては非常に分かりやすく採用できるものがあったっていうのは、「手触りのいい木をこだわって使ったんです」っていうのはともかくとして、「どこでもいいから持ってきました」っていうことよりは、今回みたいに「もちろんリサイクルも兼ねているよ」っていう風な感じの立ち位置で説明するということで。今回他故さんが革がすごい気に入ってみたいなところで言ってることを考えると、カバン屋と組むっていうのは別に悪いことではないなというか、むしろ革を使い慣れてるところと組んでやるっていうのは悪くはないのかなと思うけど。もっと良いのがあったのにそっちにしたんだったら、それはそれで確かにきだてさんが言っていたみたいなのがあるかもしれない。
【きだて】それは分かんないから、何ともいいようがない。ただ、革が好きな他故さんがこんなに一目惚れしちゃってるということは、まあきっとあながち間違っちゃいないんだろうよ。
【他故】本当に分かるのは、手元に来てからだけどね。
【高畑】「どっちも取れてお得でしょう」ぐらいでいいのかな、という気がするけど。だから「リサイクルのものを探しています」「上質なリサイクルものを探しています」っていう人も選べるし、単純に「革が好き」っていう人も選べるしというところかな。それを選んだがために革の質感なり選び方に犠牲が出ているんだとしたら、確かにきだてさんが言うみたいに「そっちへ行くなよ」って話ではあるかもしれないけど、上手く収まっているんだったら、それはそれでいいのかなという気もする。
――1万円ですものね。
【他故】そうですね。革が1万円で、木は5,000円ですね。
【高畑】革の方が、まあ加工が大変なんだろうね。多分、1個ずつ作るのが大変なんだろうね。
【他故】まあでも、写真で見る限り、木の方もやすりでこすってかたちを作っているので、木もそれはそれで大変なんだろうと思うけどね。
――これも家具を作るときの端材を使っているんですね。
【高畑】リサイクルはリサイクルなんだけどね。まあでも、木軸シャープとかすぐに2、3万円ぐらいするから、普通にそんな感じかなというところはあるね。
――これはマックスの直販サイトだけで販売しているんですかね?
【他故】これで見るとそうですね。
【高畑】量産するっていう話じゃなさそうだね。元々がリサイクルの革でカバンを作った余りだから、何万個も作れる方がおかしいみたいな話にはなるだろうから。
――私もギフト・ショーで見ましたけど、その時はまだ販売するかどうか決まってないみたいな感じでしたけどね。反響を見て考えるみたいな感じだったような。これを大量に売るというよりは、企業のイメージみたいな部分もあるのかなって気がしますよね。
【高畑】逆に、そういう言い訳があるから作れる贅沢っていうのもちょっとあるよね。「作りたいんです」って言ったら、「何個売って、どれだけ儲けるんだ」みたいな話になるけど、「いやいやいやいや企業の姿勢もあるし」みたいなことを言うと、あんまり商売商売してると「そんなの何十個作ったからっていって、手間もかかるし、やらんでいいんじゃん」みたいな話になっちゃうところが、あえてそうやって趣味性の高いものを作れる方便としてもリサイクルというのがあって作れるから。そういう意味では、そういう言い訳もあって作れるっていうところがあっていいんじゃないのかなと思う。面白がって作るでいいと思うんだけどね。
――まあ、1万円と5,000円のホッチキスですからね。普通に考えると、なかなか大量に売れるものではないですからね。
【高畑】もちろん、いい素材で中身もめっちゃちゃんとしてるから。長持ちはもちろんするわけだしさ。ホッチキスが1万円するのは、最近アリだなっていうか、もうそれこそ本当に良いものはそのぐらいの値段で売っていけっていう気がしなくもないようになってる。
【きだて】もう、「趣味性の道具として割り切りなさいよ」っていう話じゃない。いやだから、そう踏んでないと1万円のホッチキスで作れないのかよってなると、何かそれがちょっと寂しくて辛い。
【高畑】そこは、市場の成熟も必要というか。それでも他故さんはそれで1万円で買ってるわけだからだけど。じゃあ、他故さんみたいに1万円でホッチキスを買う人がどのぐら今いるか。あと、「買うならちゃんと良いものを」って言って1万円を出す人がどれぐらいいるかっていうところにはなってくるよね。
【他故】まあね。
【高畑】趣味性の高いもの、昔の喫煙具なんてそんな感じじゃん。1万円、2万円のものが当たり前のようにあるじゃん。回りに彫刻彫ってたりするようなジッポーのライターが1個何万円というのが普通にあったりするから、そんな感じでいいんじゃない。
【他故】その辺も含めて、僕はこれを手にするのが楽しみだし、関心がある人には「こんなのがあるんだよ」って言って触らせたいっていうのもあるし。触ってみると変わるかもしれないなというのもあるんだよね。僕まだ触ってないから、楽しみな状態で待ってるわけだけど。
【高畑】それこそ、「触ってみないと」っていうところが文房具らしいところかな。
【他故】そんな気がする。
【きだて】ただ問題は、店頭で触れないのが悲しいね。
【他故】これで届いてみて想像と違ってたら、ちょっと寂しいね。
【きだて】他故さんは、頑張っていろんな人に触らせてあげてねっていう。
【他故】とりあえず手元に来たら、「ラジブン4」(*こちらの記事を参照)に来た人には触ってもらいましょう。
【高畑】そういうことだよ。イベントで触らないと分からないものがあるというのが、イベントが必要な理由でもあるし、手触りのちゃんとしたものが必要な理由でもあるんじゃないかな。
【他故】うん、分かる分かる。
【高畑】この間の「クルトガメタル」も、触ると「こんな質感なの」って思うところがあるじゃん。
【きだて】あれも、触って印象が大きく変わるタイプだったね。
【高畑】趣味性が高いっていうのかな。官能的な部分っていうか、感覚的な部分に文房具がもうだいぶ来てるんじゃないのかなっていう感じはするね。
【他故】そうか。
【高畑】単純に、書ける・書けないかとか、何枚綴じられるかみたいなところでいったら、「どれだって綴じられるわ」みたいな感じで底辺が上がっちゃったところで、「じゃあもうここから先何するの?」っていったら、やっぱり持ち心地だったりとか所有感だったりとか、書き心地だったりとかそういうところに来るのかなっていう感じがします。
【きだて】そうね。
――他故さんは届くのが楽しみですね。
【他故】いや、本当に楽しみです。
【高畑】注文して届くまでの楽しみな時間があるのも、それはそれで楽しいよね。発売を楽しみにしてる商品がある幸せっていう。
――実際手にしてみての感想もお待ちしておりますので。
【他故】はい。
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プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/
「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2023年Bun2大賞を斬る!~」の電子書籍を文具のとびら商店で販売
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