【連載】月刊ブング・ジャム Vol.33 ブング・ジャムの2019年ベストバイ文具を発表!(その2)
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。Vol.33では、ブング・ジャムの3人が2019年に購入した文具の中からベストバイを選んで発表してもらいます。
第2回目は、きだてさんが選んだ「SMART FIT ALTNA」のケーブルリールとケーブルホルダーです。
(写真右から他故さん、高畑編集長、きだてさん)
*その1はこちら
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――次はきだてさんお願いします。
【きだて】自分のベストバイなんだったかなー、とずっと考えたのよ。Bun2大賞の「文具放談」のときにも話していたけど、今年はとにかく豊作だったから。
【高畑】色々とあったからね。
【きだて】イロモノ系もいっぱいあったし、どうしようかと思って。で、結局のところ、どれが一番自分の生活を便利に変えてくれたか……という視点で考えて、リヒトの「SMART FIT ALTNA」ケーブルリールとケーブルホルダーにしました。
【高畑】おっ意外。
【他故】この2つの組み合わせなんだね。
【きだて】我が家の作業机はとにかく相当に乱雑で。資料やら文房具やらが積み重なってるのに加えて、PC周辺のケーブルがすごい本数、のたうち回って。
【他故】うん、分かる。すごい出るよ、ケーブル。
【きだて】もちろん、まとめられるものはケーブルバンドとかで束ねたりして整理してるんだけどね。例えばiPhone用のライトニングケーブルとか、その他ガジェットをつなぐミニUSBとか、そういう末端の接続に使うケーブルは1本単位で取り回しが必要になるので、他のケーブルとまとめて束ねられない。
【高畑】ああ、まあそうね。
【きだて】だからって、そのままハブから生やしたままにしとくと、のたうっちゃって見苦しい。そういうの巻き取っておく用にケーブルリールがあるのは分かってるんだけど、でも、今までのケーブルリールってだいたい膨らみのあるドーナツ型でしょ。あれ、重ねてスタックできないんだよね。
【他故】積めないよね。
【きだて】じゃまなのよ。
【他故】積めないし、転がるし。
【きだて】そう、あれが余計にジャマだわという感じで嫌だったんだけど。
【高畑】なかなか気に入るものがないよ。
【きだて】だから、薄くてスタックできるケーブルリールは無いのか、と。
【他故】まずはそこからだね。
【きだて】そう思ってたら、まさにリヒトのこれがドンピシャ!ってことで、去年の展示会で見た瞬間からすごい気になってたの。
【他故】はいはい。
【きだて】まず四角いのがいいよね。机の上で配置するのに、円形ってスペースの無駄じゃん。四角い方が断然スッキリする。で、薄くて積み重ねられる。いまこれを4つスタックしてるんだけど、まぁ便利ね。
【他故】そうか、積めると考えるといいね。そういう発想はなかったな。
【高畑】特に留められる要素はないんだよね。ただ積み重ねられるという。
【きだて】いや、マグネットが入っているから、積み重ねるとピタッと留まるの。
【高畑】本当? それはいいよね。
【きだて】端子の近くに装着するケーブルホルダーにもマグネットが入ってて、リールの上にピタッと留めておけるの。これだと本当にケーブルが散らからないから、いいよー。
【高畑】なるほど。
【きだて】あと、コワーキングスペースの一人用ブースなんかに入ったら、まずパーテーションにこのリールをパンと貼ってスペースを広く使えるように工夫したりね。リールは机の上で、ケーブルホルダーだけ貼るとかでもいい。
【他故】はいはい。
【きだて】そうすると、端子を探してモタモタすることもないしね。これのおかげでかなりQOLが上がった気がするよ。
【高畑・他故】へ~ぇ。
【きだて】見た目も機能も派手さはないんだけど、地味に生活を改善してくれたアイテムとしてベストバイだったな、という結論だわ。
【高畑・他故】ほぉ~。
【高畑】何か、出張とかで使えそうな気がしてきたぞ。
【きだて】持ち歩くなら、普通に束ねるよりはかさばるよ。
【高畑】そうかもしれないけど、結局ケーブルをごちゃごちゃとカバンに入れないといけないわけだよ。それを考えたら、四角いのが並んでてうまく入るんだったら、それはそれでアリかな。
【きだて】柔らかいシリコン製だから、クルクルほどいてケーブルを長く戻すのも簡単だし、巻くのもあっという間だし。
【高畑】俺のだと、この電源アダプターにいくつも口があって、ここに重ねればいいんだね。
【きだて】そう。これがいくつかあれば、わりと手軽に整然としたケーブルのハブステーションが作れちゃったりするのさ。
【他故】おお、できるね。
【高畑】確かにきれいだな。
【他故】これって、いくつか色があるの?
【きだて】3色あったかな。うちは2色を2つずつ使ってるわ。ブルーブラックみたいなのと、このグリーンと。
【他故】3つぐらいあるといいね。最近はまだケーブルの種類が混在していて。
【きだて】そうなのよ。
【他故】ライトニングだけじゃくて、USB AとUSB Cが増えちゃったので、3種類あると嬉しい。
【きだて】それぞれで色替えできるといいよね。
【他故】そうそう。
【きだて】でも、これ本当に便利。
【他故】想像以上にそれいいね。
【きだて】まあ、壮絶に地味なんだけどさ。
【他故】いやいや(笑)。
【高畑】本当にね、毎度毎度嫌になりながらケーブルを使っているので。
【きだて】早く全てのものが無線化してくれないかなと思うくらい、ケーブルって嫌じゃん。
【高畑】嫌だね。
【他故】しかも、今は充電するものがすごい増えちゃったから。何でもかんでも家に帰って充電しなきゃいけないという物が増えちゃったから、いろんなところからケーブルが生えているんだよね。何とかしたいなと思ってたんだけど。
【きだて】我が家は全部屋にUSB用の電源タップを設置したので、もう、本当にあちこちでUSBケーブルがのたうってるよ。
【高畑】いつものデスクだったら、置くところを決めておけば、そこにちょうどいい長さで出しておくことができるけど、やっぱり外だよね。
【他故】外はそうだな。
【高畑】カフェなり空港なりコワーキングスペースみたいなところで、ちょっと何かやるぞとなったときに、カバンから取り出したやつがこんがらがってるのをほどくのに1分ほどかかるというのはね(笑)。
【他故】そうだよな、ただ入れているだけだものな。充電するものが増えちゃったから、3本持ってなきゃいけないし、邪魔でしょうがない。上手い方法があればと思ってたけど、それはちょっと面白いかもしれないな。
【きだて】ただケーブルだけよりは場所食うので、持ち歩きに何個もというのがおすすめできるのかどうかは今のところ分からないんだけど、まあスマートだよねというのはある。
【高畑】ケーブルホルダーを付けてなければ、そのまま入って薄べったく四角く持てるから。まあいいよね。
【きだて】リヒトの製品だから、シリコンの扱いはお手の物じゃん。
――シリコン遣いだから。
【他故】シリコン遣い(笑)。
【きだて】しかし、なんで今まで、こういう薄くて積めるケーブルリールってなかったのかね?俺たちが知らないだけかな。
【他故】ねえ。
【高畑】しかし、四角いのがいいね。仕舞うときに四角いのはいいよ。
【きだて】四角くて薄いのは、とても大事だよ。
【高畑】なるほど。
【他故】ちょっと試してみたいですね。
【高畑】1回検討してみたい。
【きだて】なんだよ、なんか話が弾まないな(苦笑)。
【他故】いや、「使ってみたいな」という話に終始しちゃうから(苦笑)。
【高畑】ストレートに分かりやすくて、「いいな、それ使おう」という話だよね。何か別にトリッキーなことはないけど。あと、これにマグネットが入っていて、タテに積めるのはいいね。
【他故】それは考えてなかったな。
【きだて】スタックがね、本当に想像以上によかった。
――このシリーズは、シリコンとマグネットの両方が特徴なんですね。
【きだて】そうそう。
マグネットでスチールの壁面にもくっつく
【他故】これ、いくらなんですかね?
【きだて】結構高かったよ。そこだけがネックだね。
――ケーブルホルダーが税抜550円で、ケーブルリールが税抜850円ですね。
【高畑】結構するね。
【きだて】この小さい方だけで550円するわけさ。
【他故】ケーブルホルダーは後で検討することにして、まずはリールの方を(笑)。
【きだて】実は最初はリヒトからサンプルでいただいたんだけど、結局は自分でがっつり買い足しちゃったくらいには気に入っている。
――あらゆるケーブルがこれに?
【きだて】ケーブル全部じゃないけど、机の上で邪魔になる部分はこれで。
【高畑】外出するときは、これごとカバンに入れていくの?
【きだて】うーん、外でがっつり仕事するぞー、という時以外はあまり持ち歩いてないな。持ち歩き用のケーブルは別のポーチにも入ってるし。
【高畑】どっちかというと、家用なんだ。
【きだて】要は、机の上をきれいにしたいという。主にそこだね。
【高畑】なるほど。そっちか。
――持ち歩き用じゃないんですね。
【きだて】持ち歩きにはちょっとごついな。
【高畑】なるほど。
【きだて】持ち歩き用に、同型でこれより一回り小さいリールがあると嬉しいかも。どうせそんな長いケーブルは持ち出さないし。
――そうかもしれませんね。
【きだて】文具王のような「要塞か」というぐらいのカバンだっから、これは使いやすいだろうけど。
【高畑】ここにユニットとして並んでいるというね。
【きだて】文具王の出張先でのあの動画を見ると、これだといいと思うよ。
【高畑】そう言われてみれば、よさそうな気がするぞ。だって昔、ケーブルが外に出ているのが嫌で、会社の机の引き出しの中に配線してたから。
【きだて】あ~、はいはい。
【高畑】今、デスクの上で仕事してたって、少なくともスマホは要るし、ケーブルは何本があるものね。
【きだて】俺らは、自分の机で文房具の使用例写真を撮ることがあるでしょ。そういう時にケーブルがのたくってたらダメじゃない。
【他故】ああ、まあね。
【きだて】文具ライターとしてのイメージってのがあるじゃん(笑)。
――「あの人、ケーブルが混線してる」って(笑)。
【きだて】「ケーブルのたくらせておいて、何が文具ライターだよ」だとかさ、「ガジェット語ってるのに、テーブル汚いの」とか思われるのいやじゃん(笑)。
【高畑】レビューをはじめるために、机を片づけるところから始めてしまうのは、すごくよく分かる。
【きだて】そういうときにも、これはすごく役立ってくれる。
【高畑】やっぱりね、ケーブルをきれいにしておくのは重要だと思いますよ。
【他故】そうだね。
【きだて】またね、年末の大掃除の時とか、細かいケーブルにいちいちホコリが絡んでたりすると嫌でしょ。
【他故】ああ、分かる。
【高畑】これ、弱電だからそんなでもないけど、やっぱ危ないからね。まあ、ムダなところはきちっとしておかないと。あと、注意としては、パワーのあるケーブルは巻いちゃダメだよ。
【きだて】グルグル巻いちゃダメだからね。
【高畑】情報系のケーブルならいいよね。
【きだて】USB Cだと、ひょっとしたらダメなやつ、あるかな?
【高畑】CでハイパワーなやつでPD対応だと、やらない方がいいかもしれないね。
【他故】でかいのあるからね。60Wくらいで充電するやつじゃ、ヤバいかもしれない。
【きだて】その辺は気をつけないといけないけど。
【高畑】きれいに片づけましょうということで。
【きだて】すごい、俺が役に立つ話をしたぞ(笑)。
【高畑】あ、本当だ。
【他故】めちゃめちゃいいじゃないですか。さすがですね。(その3に続く)
プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。
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