【連載】月刊ブング・ジャム Vol.02後編
(右から高畑編集長、他故さん、きだてさん)
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。Vol.02後編では、入れ物&小物アイテムについて激辛トークを繰り広げました。
*Vo.02前編はこちら
アニマルだョ!全員集合
――「プニラボ」シリーズです。ペンケース以外にもいろんなアイテムがありますね。
【高畑】元は「スタンドペンケース」じゃん。評判よかったから。
【他故】そうね。
【高畑】各社“立つペンケース”やっているけど、動物で来たというのがさ。で、これよく見ると耳の種類が…。
【きだて】タイプがいくつかあるんだよね。
【高畑】何種類あるの、これ?
【きだて】3種類だと思う。
――動物は6種類ありますよ。
【高畑】耳の種類は3種類。
【きだて】これ、リヒトさんに提案なんだけど「ドリフターズ」バージョン作らない?
【高畑】「首チョンパ」かよ!
【きだて】そもそもカワイイ動物の首がポロッともげちゃうの、どうなん? これすごい気になっててさ(笑)。
【他故】物によるけどさ、ブタだったら無理矢理に「口だ」としてしまえば。こう「パクッ」と口を開ける感じでさ。
――ドリフでやるときは『飛べ!孫悟空』のあの人形の感じ?
【きだて】そう。
【他故】やっぱこれでしょ。口がパカッと開く感じで。
【きだて】『飛べ!孫悟空』柄で首パクパクするのいいよね?
――その話が通じる人は40歳以上でしょ(笑)。
【きだて】若いやつらお金持ってないんだから。もう年寄りだけターゲットにしようぜ。
【他故】これ、頭が丸いんだから、スコープドッグの絵にしてさ、「シャキン」ってなるという(笑)。
【きだて】開けると中にキリコ人形ペンが入っているという(笑)。
【高畑】お前らな~(笑)。いや、だけどさ、わざわざ型を作って、かわいい方へ持って行ったというのは、立つペンケースがある程度定着してきたということなんだよね。
――これ、結構売れているみたいですね。
【高畑】この間、実際に持っている人に会ったもん。
【きだて】筆箱は目立つから、かわいい物好きアピールにも最適だよ。
【他故】かわいいよね。
――立つペンケースで女性向けは「デルデ」しかなかったじゃないですか。
【高畑】どっちかというと、男性っぽいデザインだったからね。これも最初は渋かったじゃん。
【きだて】そうね。いつものリヒトカラーというか、オレンジと緑とか。
【高畑】それで「スタンドペンケース」自体が、そこそこ「ペコ」ってなって。あと、ある程度硬さがあるので、中身が少なくてもちゃんと立って、かたちが維持できるので。そこはいいよね。
【他故】これも消しゴムホルダー付いているんだよね。頭のところに。だから同じだよね。さすがだね。
――付けたんだ。
【高畑】最初の細型には付いていないんだよ。
【きだて】これが多少ペンをぎっしりめに入れると、手触りいいんだよね。このシリコンの感じが。だから、割と持っていて楽しいペンケースだなと思って。
【他故】割とないよね。自分が持っているのでこういうやつって。
【高畑】ちょと、特別な世界観がこれだけにあって、立つペンケースの中ではこれだけ独立した感じがある。
【他故】結構ギリギリっぽい気もするんだけどね。カワイイとキモいのギリギリっぽい気が。でも、ただかわいいだけじゃないのがいいのかな。
【きだて】いや、ただかわいいでしょ。
【他故】そうかな?
【きだて】えっ、これキモい要素ある?
【他故】いや、何となく。
【きだて】「八頭身キモい」とかそんなの?
【他故】いやいや(笑)。「超かわいい」という感じではないような気がするんだけど。
【きだて】「全面かわいい」じゃないの?
――「かわいい」じゃないですかね?
【他故】純粋にかわいいのかな?
【きだて】じゃね?
【高畑】あれだね、印刷もキレイに出ているけど、型を起こしたのはえらいね。色も鮮やかに出ているよね。
【他故】キレイだよね。
【きだて】中を真っ赤に塗ったりしないのかな? 内蔵プリントとか、「肩ロース」「ハラミ」って区分が描いてあったり。
【他故】いやいやいや(笑)。
――これは、「プニラボ」として一気にいろんなアイテムを展開したんですね。
【高畑】この素材感の面白さをいろんなアイテムに拡げていくというのはね。全部のアイテムに耳を付けたらよかったかな。
【きだて】折角ならあった方がかわいいよね。
【高畑】まあ、数的にという問題はあるよね。
【きだて】でもイヤホンホルダーだと、さすがに頭がパカッと割れるようなもので、ちょっとね(笑)。
【高畑】でもこれ、適度にへこみがあって、スマホとか立てるのにいいよね。機種が色々あるけど。
【きだて】シリコンだから、だいたいどんなスマホでもハメ込んで立つよ。
【高畑】あと、スリットポーチは、ちょっとゴミを入れたい時にいいね。
【他故】開口部はマグネットで留めているんだ。そんな意識なかったな。
【きだて】シリコンの弾力だけで閉まるんじゃないのね。
【高畑】中にマグネット入れて、接着で止めているんだ。磁石入れる向きを間違えると、いつまで経っても閉まらないな。
【他故】そんなの検品ではねられるだろ(笑)。
【きだて】あっという間に検品で分かるだろ(笑)。
【高畑】いやいや(笑)。でも、これくっついててくれないと。「これゴミ入れです」と言っているからには、ゴミが見えていると嫌じゃん。
【きだて】気持ち悪いしね。
【他故】ボロボロこぼれるんじゃあね。
【高畑】これを言うとあれだけど、鼻をかんだティッシュをどうするってなったときに、こういうのがあるとありがたいよね。
【きだて】まあ、花粉症の君らは大変だな!
【高畑】スリットポーチは、大きいサイズもあるのね。
【他故】物によってはスマホも入るんじゃない? スリットポーチはいいよな。
【高畑】割とかたちがしっかりしているからさ。
【他故】この中にティッシュを入れておくでもいいしさ。
【きだて】それはいいかもしれないね。これ用に、縦で引き出せるティッシュがあるといいなあ。
【高畑】ガムとかアメを食べる人はゴミを捨てるところがないので。新幹線でよく出張するけど、長時間座っているからそういうの口に入れたりするんですよ。とりあえず、ちょっとだけゴミ箱あるといいなと思って。
【きだて】そうね、ポケットに入れておくとちょっとね。
【他故】買ってきたコンビニの袋で代用したりするけど、ない場合はね。ガム噛む人はそうだね。
【高畑】だから、柄なしでこういうのあるといいんだけどね。
――ありますかね?
【他故】「SMART FIT」にあるんじゃないかな。見覚えがあるんだけど…。(カタログを見て)ああ、あるじゃないですか。
【きだて】お、あったあった。
【高畑】だからそういうことだね。元からあったものを、かわいいのを作るのに合わせて展開しているんだね。
【他故】製品として同じコンセプトであるのに、何故気が付かなかったんだろう?
【高畑】そうだね。だから、そういう意味ではノーチェックだったけど、これはこれで使ってみたい系だな。薬入れにもちょうどいいよね。
【他故】確かに、色々使えるよな。
【高畑】それでここに三ツ葉葵を描いておく。
(一同爆笑)
【高畑】本来の目的としてはね。
【きだて】印籠ね。ロキソニンでも入れとくか。
【他故】本来、薬が入っているものだからね。
【高畑】ちょっと印籠っぽいよね。
【きだて】まあ、これに関しては「かわいいね」ということで。
おとなの“秘密基地”も欲しいぞ!
【高畑】「収納カバン」ね。これ、めっちゃ売れているらしいよ。お母さんが、子どもたちに片付けさせるのにちょうどいい入れ物というのを、このかたちで提案したのは偉いよ。
【他故】偉いね。
【きだて】で、子どもはこういうのに入れたがるんだよ。
【高畑】こんだけかわいく作ったら、入れたくなるよね。
【きだて】かわいいというより、秘密基地だよこれ。基地感、最高。
――これを作ったナカバヤシの人もそう言ってましたよ。
【きだて】でしょうね。
【他故】秘密基地というよりはドールハウスだろ。
【高畑】そうそう、それ。サンスター文具に「ひみつのラブリーボックス」というのがあって、中をパカって開けると、シールだったりペンだったりが入っていて。あれだよね。
【他故】これは、女の子でも楽しくて仕方ないんじゃないか。
【きだて】これ上手いのがね、あんまり小分けにさせていないの。結局この一番大きい箱にざらっと何でも入れちゃえばいいんだから、片付けが下手な子でも楽なの。
【高畑】大人向けのあの細かな設定と比べるとね。あと、もう一ついいのは、大人のは開いたのをそのまま立てて使えなんだけど、これはここから引き出して使えるんだよ。これが良かったね。
【他故】このまま出して、「ペンはここだよ」とやっておいて、「しまえ!」と言える。
【高畑】部品が多いから、これ3,300円(税抜)だけど手間かかってるし、これは使ってみて「片付けをしてみようかしら」という空気になる。
【きだて】だから、このA4が入るやつが欲しいんだよ。大人用で~。
【高畑】大人用の秘密基地な。
【他故】もう1段階大きい子用で、A4入るのが出る可能性はあるよ。今、小学生はA4のペーパーなんかが出てきているから。
【高畑】あと多分ね、A4にすると4,000円超えるんだよ。
【きだて】あ~、超えてもいいよ。大人が使うから(笑)。
【他故】値段はね。
【きだて】これね、工具入れにしたいの。
【高畑】まあ、分かるよそれは。
――これ、結構大人が買っているとナカバヤシの人が言っていましたよ。趣味で使っているって。
【きだて】だろうな。いや、これは本当にいい。
【高畑】「ライフスタイルツール」のシリーズの中では、思い切ってデカくしたっていうのがね。このシリーズは、デカいほど良い。
【きだて】それは、間違いなくそう。
【高畑】もっとコンパクトで、意外と机のすき間にも置けますよ的なものもあるけど、絶対にこれはデカいほどいいよ。
【きだて】まあ、入れる物がある人はっていう話ではあるけどね。
【高畑】入れる物がピッタリはまらなくて、「あとちょっと大きかったら入るのに」というやつとか、「こっちに2つ入ったのに、もう1個余っちゃった」みたいなときは、ちょっとゆるくて大きいというのがいいよ。
【きだて】うん。
【高畑】で、こっちに教科書やノート立てられるし。
【他故】そうね。多少大きいやつでも「フタ開けたまま立てておけばいいじゃん」というぐらいに思い切って作っているよね。
【高畑】これはシリーズ通してだけど、マグネットで留まるっていいよね。
【きだて】マグネット気持ちいいよね。特に「収納カバン」だけは磁石強めなんじゃないの?まあ、サイズでかいからというのもあるんだろうけど。子どもはこれ喜ぶよ。
【他故】パチッっていうこの感じがね。
【高畑】これは悩むところだと思うけど、フタのここがあいているのね。大人用のやつはあいていないから、「どっち開くんだっけ?」と思うんだけど、これはフタを開けるところが分かりやすいんだよ。
【きだて】分かりやすいね。
【高畑】その分、穴があいちゃっているんだけど。
【きだて】いいよ、これで。
【他故】全然いいよ。
【きだて】困ることなんてないよ。こんな隙間から出ちゃうものなんてないんだから。
【高畑】まあ、見た目だけなんだけど。この割り切ったところが、このシリーズの中でも特に上手くできたやつなんじゃない?
【きだて】この「収納カバン」と、冷蔵庫なんかに貼り付けられる「ウォールボックス」。シリーズだとこの2つがお気に入り。とてもいいです。
【他故】リビングで学習するというのが普通になっちゃって。
【きだて】そう、“リビ学”がね、大分普及して。
【他故】でね、食卓の上に適当に置いてっちゃうんだよあいつらが。「しまえ」っていうの。
【高畑】やっぱり他故さんはパパだね。
【他故】で、しまわせて、これ自体が机の上にちょんと置いてあるのが一番いいよ。
――これは、他故さん家はいいんじゃないですか?
【他故】是非これは買おうと思ってますよ。
【高畑】今「おかたづけ」がブームだから。
【他故】そうね。
【高畑】お母さんたちの間では、お片付けができるかどうかがママとしてのステイタスになっている。
【きだて】ああ、そうだね。整った家というのがね。
【高畑】そうなんですよ。だから、片付けできないと肩身がせまい世の中になってきた。
【他故】「何かが転がっているとか最低」ってやつだからね。
――そう、突然ヨネスケが来たりするから。
【きだて】ヨネスケの心配はこの際いいよ(笑)。至れり尽くせりなふせん
――入れ物はここまでで、後は小物になります。
【高畑】ふせん系ね。これはきだてさんの大好きな「スット」ですね。ちょうど立ってて、ちょうど見やすい。
【きだて】PCモニターの横に置いておく簡易スケジューラーとしても、小回りが利いて使いやすい。とてもいいです。
【高畑】これ「ペントネ」じゃん。その中身がこんなかたちになったんだっていう。これね、ボードに線が入っていて、ふせんを引っ張ったときに線のところで止まるんだよね。
【他故】そう、カチッと止まるんだよね。
【高畑】この「何で?」って思う感じがいいよね。
【他故】気持ちいいよな~。
【高畑】で、必ず線の真上で止まるんだよね。
【きだて】この気持ちよさというか、グリッドに沿っている感がね、とってもいいです。どうやってるの、これ?
【高畑】ただミシン目が入っているから、はがれるときにそこのところでカチッとなるだけ。
【きだて】ほお~、それだけでこんな感じになるんだね。
【他故】ふせんに書くときは、裏側にすべり止めが付いていてすべらないとか、よくできているよな。
【きだて】本当に、至れり尽くせりですよ~。
【高畑】ボールペンで書いたときに、下があまり硬いと書きづらいから、このベースの部分が若干クッション性がある。
【他故】そこまで考えるんだ。で、めくりやすくこの角がななめになっていて、ここから切り取れるとかね。
【高畑】これも、思いつきは割とシンプルなんだけど、その割に細かいところが丁寧だよね。床に置いてもすべらない的なところとかはすごくよくできているよね。
【他故】ふせんがどこかへ行っちゃう病の人がいると思うんだけど、これも完全にふせんがどこかへ行っちゃわないシステムじゃない?
【高畑】それはいいね。
【きだて】これは明らかに、自分の見やすいところという住所が決まるんだよね。
【他故】だから、書いて掲示するということを考えなくても、もう常にここにふせんがあるという安心感がすごく大きい。
【高畑】これ反対向きに使う人もいるよね。そして、そのままポケットに入れるという人もいるので、反対向きにすれば普通にメモ取って、出して気って使うという、普通に携帯メモ的な使い方もできる。
【他故】それも想定された大きさなんだろうな。
【高畑】このスタンドといい、軽い作りなんだけどね。あと、マニアックな見方として、カンミ堂の商品はパッケージが面白いんだよね。「クリップココフセン」もそうなんだけど、「あっ、そこ留めるんだ」みたいな留め方で売り場にぶら下がっているので。中身が見えつつも最小限の資材で包む。全部を箱や袋に入れるんじゃなくて、上手いこと本体をなんとなく触れるようにしつつ袋に入れるみたいなところが面白いので。気になる人は店頭でパッケージを見て下さい。
【他故】そうだね。
【高畑】これは「ペントネ」と同じようなロールなので。
――共通のリフィルではないわけですね。
【きだて】柄は違うけど、サイズは共通ですよ。
【高畑】なので入れ替えはできる。
【他故】だから、自分の好きな色を入れ続けることができるんだよね。
【きだて】ただ、ペントネ用の柄を入れると、ちょっとうるさいんだけどね。
【高畑】逆に、これを「ペントネ」に入れたくなる。
【他故】あるある。
【高畑】そういう使い方もできるよね。それが共通規格を使って展開していく面白さではあるよね。
【きだて】共通規格を使っているので、細長い物と板の物の2つを出すなんて面白いよね。
【高畑】別物で展開してきたのが面白いね。
【きだて】その辺が、カンミ堂よく考えているなあと驚かされます。
【高畑】無駄のない会社で(笑)。
【きだて】おばあちゃんが「始末のええこって」というあの感じ。
――キーワードはそれですかね、カンミ堂は。
【きだて】始末のいい会社ですよ(笑)。
【他故】カンミ堂の製品って、リフィルをまた買って使うんですよ。「1回使ったからもういいや」じゃなくて、必ず入れ替えて使ってるなと思って。そのぐらいよくできているんだね。
ロールふせんが華麗に変身!!
【高畑】ヤマトの「テープノフセン」は大好き。
――結構みんな絶賛してますよね。
【高畑】ヤマトは前からロールふせんやってるの。「メモックロール」って透明なケースに入ってたんだけど、それはデスクタイプで大きかったんですよ。幅広いのと細いのとの組み合わせもあったんだけど、細いの1個にして大正解だよ。
【きだて】そうね。これだけで良かったんだ、と。
【高畑】あとね、このケースがおしゃれ。
――よくできてますよね。
【高畑】何てことないシンプルなかたちなんだけど、この無駄のないかたちが大好きですね。
【他故】これキレイですね、確かにね。
【高畑】最大のいいところはね、テープの色と樹脂の色をギリギリまで合わせてあるんだよ。
【きだて】これはビックリした。本当に一体感があるんだよね。
【高畑】だから、ケースだけ別物感があまりなくて、ちゃんとデザインしたというのが分かるよね。
【きだて】置いておくだけでキレイだものね。ソリッドで美しい。
【高畑】もちろん、ロールタイプで好きな長さに切って使えるというのが最大のウリなんだけど、まあ置いておいて本当にこれは気持ちがいいよ。これね、人にあげると超よろこばれるよ。小さいからこれだけで引き出しに入れておけるし、ポーチなんかに入れて置いて使うのにもいいです。これラベルにもいいんだよね。ファイルの背見出し用にとりあえず貼っておく。あとで「テプラ」で貼っておけばいいけど、さしあたりはこれを貼っておけばいい。これはね、バランスがいい。
【他故】そうね。これは1個いくらくらいなの?
――税抜320円ですね。
【他故】カッターが付いていてそんなにおかしい値段ではないですね。
【きだて】ちなみにうちでは、物撮りする時に、現物に撮影の順番なんかをこれで貼り付けて管理しているのをやっています。
【他故】これ、大きさを自由にできるのがいいよね。
【きだて】「ここだけアップで撮る」とかメモを書いて貼っておくとかね。
【他故】これは詰め替えはどうなってるの?
【高畑】「メモックロール」のじゃないかと思うんだけどね。
【他故】ああ、「詰め替えはメモックのロールテープで」と書いてあるね。
【高畑】これがこんなにカッコいいんだから、大きい方のロールも新しくしてくれるといいよね。
――これは、有名なデザイナーを使っているんですかね。
【高畑】そうでしょうね。デザイナーとコラボしてすごく上手くいったケースだよね。これは上手くデザインしてもらったという感じがするよ。でも、ものすごい宣伝しているとか、機能的にすごくてメディアに載るタイプの商品でもないと思うけど、店頭で見てかわいいと思うから売れるというかさ。メディアで見て買うというよりは、その場で見て買っていくんじゃないかな。
【きだて】でも、これ箱だけ見ても中の格好良さ伝わる?
【他故】この箱だけ見てもどんなものか分からないよ。
――大きい店だと、見本を置いているんじゃないですか。
【きだて】というか、そうしないと売れないんじゃないかな。
【他故】何でこの箱にしたんだろう?
【高畑】デザイナーがカッコいいと思ったからだよ。
――でも、箱もなかなかいい感じですよね。
【高畑】上品に収めた感じですよね。でも、別に新発明でも何でもないじゃん。それが、ちょっときれいに作ったら、こんなにステキになるよねという。これは、いろんな文房具にまだまだ可能性があるよというものなんじゃないのかな。
――商品名が「テープノフセン」で、「メモック」とか付かないんですものね。
【高畑】これって、「メモックロール」のケース替えというだけの話なんだけど、でも一つ別の価値をここに持っている気がするもの。
【他故】これなら買うなと思うものね。
【きだて】デザイン変えがとても成功した例だと思います。
書けます! 消せます! はさめます!
© Disney
――次は「メモるクリップ」です。これは、鉛筆やシャープペンで書いても、消して繰り返し書けます。
【きだて】クリップとして使えるのかな、この弾力で?
【高畑】クリップというか、あれだよ。
【きだて】あー、はいはい、はさんでタグ付けとかする用の。
【高畑】そういうクリップだよ。
【他故】1枚分くらいじゃない?
【きだて】クリップ型のメモということだね。
【高畑】前にこのタイプのメモあったじゃない? クリップというか引っかけるメモだよね。
【他故】そう、これは完全にふせんの代わりでしょう?
【高畑】しおりとかふせんとかメモとか。で、ちょっとだけメモしておいて、後で消す。これは1回使うだけじゃもったいないから、何回でも使いたいよねという話なんだよね。
【きだて】これはページマークだね。
【高畑】要は、ページマークのシリーズなんだけど、書いて消せる素材だから、こっちの方がウリだよということなんじゃない。シャープペン使っている人にはいいよな。ビバリーは、元々文房具メーカーではないんだけど、あの「ココサス」ですごい当たってから、文房具ガンガン出していて、まあ面白いよね。元々文房具系ではなかったので、使ってくる素材とかが毎回変わってるんだよね。ノンアイロンで使えるシールとかさ。
【他故】「なんじゃそりゃ」というものが出てくるよね。
【高畑】そう。今まで見たことがない感のあるトリッキーな使い方が。どちらかというと素材ありきのところがあると思うんだよね。
――「ノンアイロンプリント」の素材は、元々戦闘機に使っていたものらしいですよ。
【高畑】あれそうなの?
――戦闘機の模様とかのプリント。
【高畑】ああそうか、最近の萌え戦闘機とかに付けているプリントだ。
――だから、「マッハの速さで飛んでもはがれない」らしいですよ。
(一同爆笑)
【他故】同じ強度なんですか?
【きだて】なんで「マッハの速さ」をウリにしない!
【他故】お名前シールなんだから(笑)。
――それ要らないから(笑)。
【高畑】お前のところの子どもは韋駄天か(笑)!!
【きだて】いや、だってうれしいじゃん。マッハの早さに耐えるんだよ!?
【高畑】その方がうれしいけどね。なるほど、そういう素材なんだ。だから、新素材をどうやって物に落とし込むかを割と考えているよね。だから、このクリップの素材にも何かそういう開発秘話的な話があるんだよ。
【きだて】あるのかな、聞きたいね。
――こういう素材って、過去にも使ってましたかね。
【高畑】マウスパッドでメモが書けるやつとか。
【他故】あれはシリコーンだよ。「シリコーンに書いて」というメモはあった。
【高畑】意味的には近いけどね。でも、これ消し心地いいね。
【きだて】スルスルといけるよね。
【高畑】これ、色々と応用できそうだよね。
【他故】何かまだまだ出そうだよね、これ。
【きだて】これ手帳用のブックマークとして、ディズニー柄じゃないやつだったら欲しいという人は結構いるんじゃないかな。
【他故】ディズニーじゃなくても、もちろんいいんじゃない。
【高畑】ビバリーは、文具メーカーが思いつきそうにない素材で、新しいジャンルを開こうとしてくるところがすごいよね。とにかく、「違うジャンル」感がものすごく強い。これからまたいろんなものが出てきそうだし、これをベースにさらに発展しそうな気もするね。
【他故】ちゃんと売れてくれれば、いけるんじゃないか。まあ、でも面白い商品だよね。これいくらですか?
――税抜500円ですね。
【高畑】やっぱり、使い回さないとあれだな。
――多分、素材自体も結構いいお値段がするんでしょうね。
【高畑】多分そうでしょう。素材が高いんだと思うよ。この素材を他に何に使ったら便利かな。すごく可能性を感じるよ。
【きだて】これで、ToDoチェックのマス目が入ってるやつがあったらいいと思ったよ。
【高畑】普通にしおりとしてはさんでいて、ちょっとメモリたい時なんかになくはないな。
【他故】しおりに書けちゃうというのはアリだよね。
【きだて】それは全然アリだよ。
【高畑】ビバリーのこの変則的な展開がね(笑)。
【他故】目が離せなくていいじゃないですか。
【きだて】毎回、何らかで「へー」と思わせるからね。上手いと思うよ。
【他故】注目したいですね、いろんな意味で。
【高畑】新しい素材は、新しい可能性を引き出すので、いいと思います。プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
*このほか、ブング・ジャム名義による著書に『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)があるほか、弊社よりKindle版電子書籍『ブング・ジャムの文具放談』シリーズを好評発売中。購入はこちらから。
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