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【ニュース】パイロット本社で「漆芸の世界-大型万年筆展-」、人間国宝の作品も展示

文具のとびら編集部

パイロットコーポレーションは、東京・京橋の本社ビル1階エントランスギャラリーで、「漆芸の世界-大型万年筆展-」の展示を2024年6月3日(月)から9月30日(月)まで実施中(土日祝日・8月13日~16日は休業日)。見学は無料。

人間国宝が制作した1点物の蒔絵万年筆も

1本1本に数か月という時間をかけ、蒔絵や沈金を施した大型万年筆は、筆記具としてのみならず、日本の伝統文化を伝える美術工芸品として日本をはじめ世界各国で高い評価を受けている。そんな蒔絵万年筆の中から、同社が所蔵する迫力ある大型万年筆作品を54点展示。どれも漆芸の素晴らしい技術を堪能できるものばかりだ。

中でも注目なのが、重要無形文化財保持者(人間国宝)が制作した蒔絵万年筆6点。販売のためではなく、蒔絵の技術を継承していくことを目的に制作されたもので、どれもわずか1点だけという貴重なものばかり。田口善國、寺井直次、前史雄の3氏の作品が展示されている。

2.jpg上段3点と下段右の1点は田口善國氏の作品、下段中央は寺井直次氏、同左は前史雄氏の作品



また、同じく技術の継承を目的に制作された蒔絵万年筆も9点展示。こちらもすべて1点物だ。

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今回の展示の中で唯一現行商品として販売されている「金魚」。その制作工程の動画も合わせて紹介している。

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大河ドラマで話題の「紫式部」の蒔絵万年筆(写真左)は、クリップにまで蒔絵を施している。伝統的な和の作品だけでなく、象(左から2本目)やホッキョクグマ(同3本目)など近年はモダンな作品も見られる。また、写真右の4本は、今回の展示で一番古い1931年の作品。色鮮やかな万年筆で、90年以上も前に制作されたとは思えない。

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同社の一部蒔絵万年筆に採用されている「インキ止め方式」について詳しく説明。スポイトで本体にインクを注入する方式で、筆記時にはペン先を上向きにして尾栓をゆるめてから使用する。

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ここに展示されている蒔絵万年筆は、どれも蒔絵の素晴らしさを感じられるものばかり。万年筆ファンならずとも必見の展示なので、機会があればぜひご覧いただきたい。

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