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【ニュース】"大正ロマン"の万年筆約40点を展示! パイロットで「大正時代の万年筆展」開催中

文具のとびら編集部

パイロットコーポレーションは、大正時代に製造された同社の万年筆を展示した「大正時代の万年筆展」を、東京・京橋の同社本社ビル1階エントランスギャラリーで、2022年6月1日(水)から8月31日(水)まで開催している(展示時間は平日9:00~17:00、入場は無料)。

同社は、大正7年(1918年)に、並木製作所として創業された。今回の展示では、創業当時に作られた万年筆をはじめ、「大正ロマン」とうたわれた大正時代の万年筆約40点を展示している。主な展示品は次の通り。

同社では、「日本から世界に誇れるものを送り出したい」との思いから、純国産万年筆に開発に着手。特に、ペンポイントを作ることにこだわったそうで、自社でのペンポイントの製球・加工に成功した。その第1号製品が、大正7年に発売された写真の「パイロットペン」(木軸デスクペン)。

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同じく創業年に発売された万年筆。当時は、クリップは標準で付いておらず、要望があった場合だけ右写真の万年筆のように取り付けていたそうだ。

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これも創業年に発売されたショートサイズの万年筆。短い上にスリムで、何故このタイプの万年筆が発売されたかは当時の資料が残っていないので不明だが、「当時はまだ着物を着る人が多かったので、帯にはさんで持ち歩いく人がいたのかもしれません」という。

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ショートサイズから一転、こちらは超大型の万年筆。現在の同社万年筆では、これだけ大型のものはないようだ。大正10年(1921年)に発売。

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同じく大正10年に発売された万年筆。軸の9金に象眼模様を施したとても美しい万年筆だ。

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大正11年(1922年)に発売された「海国1号」は、小学生向けに発売された万年筆で、現在同社から初心者向け万年筆として発売されている「カクノ」の大先輩にあたるだろうか。販売価格は2円で、これは当時の一般的な万年筆の価格の約半分の金額になるそうだ。

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大正15年(1926年)に発売された蒔絵万年筆。写真右が「高蒔絵 螺鈿(桜花貝散らし)」、同左が「高蒔絵(金地に扇面散らし)」。このあと昭和初期に、同社の蒔絵万年筆は世界各国から注目されることとなる。「純国産万年筆を世界に広めたい」という同社の悲願は、これらの美しい蒔絵万年筆によって叶うわけだ。ちなみに、この蒔絵万年筆は、現在の貨幣価値に換算すると、1本あたりおよそ100万円になるというから驚く。

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万年筆のほかに、当時のインクボトルも展示。奥にある当時のポスターが、大正時代ならではのレトロモダンのデザインで実に趣深い。

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