工房系ランドセルメーカーの老舗の土屋鞄製造所は、家でランドセルを試着できるレンタルサービスの取り扱い点数を2倍弱に増やし、“ラン活”の山場である夏休みに備える。2021年6月中旬から対応点数を順次追加し、7月中旬の予約申し込み分までに約450個まで増す。対象は、2022年度入学用ランドセル全61種。

「レンタルランドセル」は、2泊3日でランドセルの背負い心地や使い勝手などを自宅で試せるサービス。料金は税込3,000円で、送料・返送料は無料、配送前に消毒を徹底するなどウイルス対策も行っている。コロナ禍の「ラン活」を見据え、2021年3月に初めて、同サービスを導入したところ、店舗に行かなくても実際の重さや色味、デザインを確認できる点が好評で、初回受注分は即受付終了。その後も人気モデルは、受付開始数分で予約が埋まる状況が続いている。

現在、利用者の約2割が2本以上のランドセルをレンタルし、色やデザインを比較して検討している。また、店舗のある都府県に比べて店舗のない地域の利用者数が約2.5倍多くなった。レンタルサービスで、これまで捉えるのが難しかった遠方からの新たな需要を取り込むことに成功している。レンタルの取り扱い点数を2倍弱の約450個に増やすことで、夏休みのランドセル商戦に対応する。