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【ニュース】手紙文化振興協会が「AI時代に生きる手紙の力」をテーマにパネルディスカッション
手紙の書き方講座の運営・講師育成事業を展開する(社)手紙文化振興協会(むらかみかずこ代表理事)は 2018年10月27日(土)午後1時から、東京・銀座の手紙寺銀座で講師総会を開催した。
講師総会には、同協会認定の手紙の書き方講師が参加。ちなみに、本サイトで『小粋な手紙箱』を好評連載している田丸有子さんも、同協会認定講師として活動している。3回目の開催となった今回は、代表理事のむらかみさんに加え、文具メーカーからゲストとして招いた日本ホールマーク畦地教子社長とゼブラ広報室池田智雄室長の3人をパネラーに、「AI時代に生きる手紙の力」をテーマにパネルディスカッションを行った。
パネルディスカッションでは、まず「どのような気持ちで商品を作っていますか」というむらかみさんの質問に対して、「グリーティング商材を通して、人と人との意義ある関係を築くことで、人々の生活を豊かにすることがホールマークブランドの使命。何を一番大事に開発しているかというと、使う方の使用シーンをより深く想定するということです」と畦地社長。池田室長は、「ゼブラでは、2007年に新しく『オープン・ユア・イマジネーション』をスローガンに掲げて、手書きによってお客様のイマジネーションを広げてほしいと考えて商品開発に取り組んでいます」と述べたあと、「筆記具市場は伸び続けていて、幅広い年代で使われている状況で、すごくありがたいなと思っています」と付け加えた。
また、「考えたことをすぐ声に出して発するのはすごく難しいですが、書く場合はじっくり自分のペースで言葉を選ぶことができます。今はSNSで気軽にやりとりできますが、その世の中にあって手書きというのは、ますます価値が増していくように思えてなりません」とむらかみさん。
畦地社長は、「SNSは良さもある一方でマイナス面もあります。速さだけを意識して使ってしまうので、誹謗・中傷などの問題が起きるのでは。手紙は時間をかけて書けるので、冷静になることができると思います」と述べたあと、「先日、難病にかかっている若い女性の方からファンレターをいただいたが、闘病の中で手紙を書くことをはげみにしていると書かれていて、感動しました」というユーザーとの心温まるエピソードも披露した。
続いて「普段はデジタルで効率重視の仕事をしているような若い方たちが、その一方で手書きが好きという場合が多いです」と池田室長。その理由は、「手間や時間がかかることの方が価値がある」からとのことで、「若い人の方が、手書きの価値をよくご存じで、デジタルの便利さとアナログの良さをちゃんと使い分けている。また、自分が書いたカードや手帳などを写真に撮ってSNSにアップするなど、SNSで手書きの良さを拡散してくれるお客様が多いです」という。
パネルディスカッション終了後は、ゲストの2人に対して質問タイムとなり、講師のみなさんから「こんなボールペンを出してほしい」とか、「こんな『イケメン付箋』を出してほしい」といった、手紙好き・文具好きならではの熱心なリクエストが次々と出てきて大いに盛り上がった。
なお、会場となった手紙寺は、東京・江戸川区の證大寺が開設したもので、「亡くなった人に手紙を書くことを大事にしている」(井上住職)という。
講師のみなさんの素敵な手紙作品も会場に展示
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