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【イベント】丸善日本橋店で4月11日まで「革職人展」
東京・日本橋の丸善日本橋店では、3月29日から4月11日までの期間で「第二回 丸善 春 革職人展」を開催中。昨年春に初めて開催したイベントだが、好評を博したことから今年も開催。素材やかたち・デザイン、そして手仕事などにこだわる革のプロたちが集結し、全22ブランドが一堂に集まり展示即売を行っている。会場では、職人たちが実演を交えながらバッグや財布、名刺入れ、ペンケースなどの皮革製品を販売しているので、革のプロたちから皮革製品にまつわる奥深い話が直接聞けるまたとない機会でもある。
革製品の奥深さを知る
B1F会場で実演販売(左はVILLAGE WORKS、右はunaBorsa)
同イベントは、丸善日本橋店B1Fの文具売り場をはじめ、1F、3Fの3フロアを使って大々的に開催。
「日本には、優秀な革職人さんがたくさんいるので、その方たちをぜひここで紹介したいと思っています。ぜひ、職人さんたちの手仕事の様子を見てもらいたいです」と話すのは、同店文具グループ長の谷本大介さん。
谷本さんによると、手作りにこだわる職人さんたちは、「どこをどう使うか」「5年、10年経つとどうエイジングされるのか」などと考えて素材選びをしているのだそうだ。そうした職人たちの作った皮革製品はどうしても高額になりがちだが、それは「手作りというだけでなく、革の良いところだけを使って作っているから」という理由もあるという。
今回ここに集まったブランドは、どれも個性的なものばかり。その一部をここでご紹介しよう。
「オジャガデザイン」の革小物。レーザーカットによる精巧なつくりが特徴で、キャラクターものからオリジナルデザインまで多彩に展開。
ワンポイントの動物のアップリケがかわいい「革工房yuraric」の商品。好きな色と柄をセミオーダーできる。
「affordance」の革製品。革の経年変化を見本で展示しており(右)、写真の色鮮やかな朱色の財布(写真右)が、半年経つとこのような味わい深い状態になる(写真左)。「オイルレザーを使っていますが、オイルを結構含んでいるので、手入れをしなくても自然に風合いが出せます」という。もちろん、革の手入はしっかりとした方がより良いそうで「乾燥しやすい時期は、保湿をしっかりして下さい」という。また、「使う人によっても味わいが違ってきます」とのことだ。
万年筆愛好家のための革小物を販売していたのが「K-CRAFTS」。万年筆1本挿しのケース(左写真)は、「何度も開け閉めしても負担がかからない」ように、留め具がななめに取り付けてある。ロールペンケースは、ペンの太さに合わせてオーダーメイドできるそうだ。
「きくわん舎」の吉田博さんは、この道42年のベテラン。最初は露店での商いからスタートし、今は武蔵境、軽井沢、武蔵浦和に直営店がある。こちらの工房から巣立って独立した職人さんは数多く、今回出展された方の中にもきくわん舎で修行したという職人さんがいるという。シャツのかたちをしたかわいらしいバッグも販売していた(右写真)。
“フルオーダーメイド”をうたって出展している「ATELIER HAb」の加藤知宏さん。お話しを伺っている間も、注文の品を作る手は休まずに動いていた。
金具がジャラジャラと付いた個性的な財布を販売していたのが「リベルタ」。どんな人がこれを購入していくのかを訊いたら、「音楽やバイクなどが好きな、自分らくしく生きたい人」と言われて納得。こちらの革製品は、経年変化しやすいイタリアンレザーを使っているそうで、見本として展示していた写真手前の財布は1年前はグリーンだったというから驚く。
色とりどりの革をパッチワークにした「石田創芸」の製品。「持ってびっくり! この軽さ!!」と書いてあったので、試しに持ち上げてみたら本当に軽かった。「軽いですが、強度的にはかなりしっかりとしたつくりです」という。
取材をしながら、革に関する様々な話を聞けたので、非常に勉強になったというのが一番の感想だ。革のプロたちから直接話を聞ける機会はあまりないので、興味のある方はぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。
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